人として、漢（おとこ）として。
加筆修正する以前のこのコラムで、
黒衣は漢としての真昇竜拳について語ったつもりだった。
しかし、自らの文章力の無さゆえに、
真昇竜拳という技を通しての、漢としての生き様を、
十分に示すことが叶わなかった。
前のコラムを書いてから随分時が流れたが、
日増しにつれ、ある疑念が、
自分のなかで大きくなっていくのを感じていた。
それは、
バクチさえ打っていれば、
漢として生きたことになるのか？
という疑念である。
そもそも、バクチを打つだけならば簡単である。
自分がぶっ放したいときに、ぶっ放すだけで良い。
極論を言えば、
自分が体力でパーフェクト勝ち寸前の圧倒的リードをしているときに、
軽い気分でバクチ真昇竜を狙って、
たまたま相手にトドメをさしたからといって、
それが、漢として生きたことになるだろうか？
違うはずだ。
そんなリスクの少ないバクチを打っても漢とは言えないはずだ。
おのれを賭ける、魂の選択、相手との熱い読みあい。
そんな熱いシチュエーションに、打ち勝ったことにはならないはずだ。
では漢として生きるには、
何をすればよいのか？
その答えを、お前は永遠に得られることは無いだろう。
漢の定義は、難しい。
なぜならば、漢として生きる、という評価は主観的なものであり、
評価を為す者の感情によって左右される。
しかし、黒衣があえて定義づけをするならば、
漢とは、
�＿燭�をなさねばならぬ、
��不確定状況において、
��これに臆することなく敢然と立ち向かう者
である。
困難に対し、正面からぶつかっていく精神、行動、そして生き様である。
今回のコラムは、この暫定的な漢の定義を出発点として、
真昇竜拳を使うものに課せられた美学を語ろう。
まずは心構えからだ。
コインを投入したら、スタートボタンを押して、漢を選べ。
漢とは赤ハチマキのホームレス。
その他大勢は、ただの通行人 だ。
漢を選ぶと、３種類のスーパーアーツが選べる。
悩むことは無い。
お前が漢ならば、選択肢は一つしかない。
それ以外はすべて、罠だ。トラップだ。
己を信じよ。正しい答えはただ一つしかない。
漢の選択が終わったら画面を良く見よう。
真昇竜拳を選んだ場合に、
画面下には一本の長い棒 が表示されているかと思う。
これは他のスーパーアーツを選択した場合には、「ゲージ」と呼ぶのだが。
漢が真昇竜拳を選択した場合には、
「漢（おとこ）ゲージ」 と呼ぶ。
漢ゲージは攻撃やブロッキングをすると溜まり、
満タンになると漢だけに許された奥義、
真昇竜拳が使えるようになる。
驚け、感動しろ！！
これはとても凄いことなんだ！！
しかし、せっかく溜めた漢ゲージは減少してしまうことがある。
ＥＸ波動拳や、ＥＸ竜巻旋風脚など、
女々しい技を使用すると、気合が下がり、
なんと！！
「罰則」として漢ゲージが減少してしまうのだ。
これには、常に気を配らないといけない。
試合中、己の行動は常に評価されている。
もし選択を誤れば、漢ゲージが溜まらず、
一期一会の試合において、真昇竜拳を繰り出す権利を剥奪されてしまう。
漢として生きることが許されないのだ。
これを、
漢ジャッジシステム という。
なに？
漢ゲージと、ただのゲージ、どこがちがうのか、だと？
このうつけが！！
お前のようなやつは、即刻、この場を立ち去れ。
全ては気合の問題だ！！
漢は気合で勝つのだ！！
さあ、しっかりとレバーを握れ。
そのレバーは今日から、漢スティック。
右手の６つのボタンは、漢ボタン だ。
いいか、俺とお前の約束だぞ。